新株予約権が失効(満了)した時の会計処理

新株予約権とは、株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいいます(会社法第2条第21号参照)。
新株予約権の権利者が新株予約権を行使した時、発行者は当該会社の株式の時価に関わらず、あらかじめ定められた価格で株式を発行することが必要となります。
新株予約権を発行した時の会計処理の流れは以下の通りとなります。

(新株予約権の会計処理)
内容 参照ページ
発行時 新株予約権者から払い込まれた金額を『新株予約権』(純資産)勘定で記帳します。 新株予約権を発行した時の会計処理
権利行使時 発行時の払込額と行使時の払込額(行使価額)の合計を資本金勘定などに振り替えます。 新株予約権の権利行使時の会計処理
満了時 権利行使期間が満了した時(失効した時)は失効分を『新株予約権勘定』から『新株予約権戻入益』(特別利益)勘定に振り替えます。 このページの下部参照

新株予約権の権利者が権利行使をしないまま権利行使期間が満了した時(失効した時)は失効した新株予約権の帳簿価額を『新株予約権』勘定から『新株予約権戻入益』勘定へ振り替えます。『新株予約権戻入益』勘定は損益計算書上、特別利益の区分に表示されます。

(具体例-新株予約権の権利行使時・権利失効時)

当社が下記の条件で発行した新株予約権のうち、40%(4個)分について、権利が行使されないまま権利行使期間が満了し失効した。失効時の処理を仕訳しなさい。

(発行条件)
1.新株予約権発行額総額100,000円(新株予約権10個)
2.新株予約権1個につき発行する株式は20株
3.権利行使期間はX1年4月からX1年9月まで
4.権利行使価額は1株当たり2,000円

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
新株予約権 40,000 新株予約権戻入益 40,000

発行した新株予約権の権利失効に伴い、失効分である新株予約権40,000円分を『新株予約権』勘定(純資産)から『新株予約権戻入益』勘定(特別利益)へと振替ます。

(関連項目)
新株予約権を取得した側の仕訳・会計処理

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