外貨建取引で取得した固定資産(換算・減価償却など)の会計処理

有形固定資産・無形固定資産を外貨建取引で取得した場合の取り扱いは以下の通りとなります。

(外貨建取引によって取得した固定資産)
取得時 外貨建取引において取得した固定資産の取得原価は外貨による取得価額を取引発生時のレート(HRで換算して求めます。
決算時
(換算レート)
固定資産は非貨幣性資産であり、非貨幣性資産については決算時の換算替えは通常は行いません。したがって、決算時においても取引発生時のレート(HR)による換算額を用います。
決算時
(減価償却額)
外貨建取引で取得した固定資産は上記の通り取引発生時のレート(HR)で換算されます。したがって、減価償却費も取引発生時のレート(HR)によって換算した取得原価をもとに算定されます。
(具体例-外貨建取引・固定資産)

1.当期首にアメリカのメーカーから、機械装置を10,000ドルで輸入し、ただちに事業の用に供した。輸入時のレートは1ドル100円であり、現金で支払った。

(計算過程)

取得原価:10,000ドル×100円=1,000,000円

(仕訳・購入時)
借方 金額 貸方 金額
機械装置 1,000,000 現金 1,000,000

2.決算を迎え、下記の条件で機械の減価償却費を計上した。なお、決算日現在の為替レートは1ドル=105円であった。

定額法:耐用年数10年/償却率0.100

(計算過程)

固定資産のような非貨幣性資産は決算時の換算替えは通常は行いません。したがって、取引発生時のレート(HR)で換算を行い、減価償却費もHRをベースとした取得原価を基にして算定します。
減価償却費:10,000ドル×100円×0.100×12/12=100,000円

(仕訳・決算時)
借方 金額 貸方 金額
減価償却費 100,000 機械装置減価償却累計額 100,000

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