開発費(繰延資産)の仕訳・会計処理

新技術を採用したり、新市場を開拓するためなどに支出した費用は『開発費』勘定を使って記帳します。
開発費には以下の目的のために特別に支出した費用が含まれます(経常的な費用は含まれません)。

・新技術又は新経営組織の採用
・資源の開発
・市場の開拓など

開発費は原則として支出時の費用(売上原価又は販売費及び一般管理費)として処理します。

(具体例-開発費・費用処理)

新市場開拓のため、特別に、市場調査費・コンサルティング費用・広告宣伝費など1,000,000円を小切手で支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
開発費 1,000,000 当座預金 1,000,000

借方の開発費は販売費及び一般管理費として、その全額が当期の損益計算書に計上されます。

開発費の繰延資産計上

開発費は、企業会計基準委員会「実務対応報告第19号 繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」において、繰延資産として計上することができる旨が規定されています。繰延資産として計上された開発費は、支出のときから5年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却することが必要となります。
ただし「研究開発費等に係る会計基準」の対象となる研究開発費に含まれるものに関しては、発生時に費用として処理することが必要となります。

(具体例-開発費・繰延資産)

1.10月に新市場開拓のため、特別に、市場調査費・コンサルティング費用・広告宣伝費など1,000,000円を小切手で支払った。なお、開発費は繰延資産として計上し、5年間で月割償却処理する(当社決算日は3月末日)。

(仕訳-支出時)
借方 金額 貸方 金額
開発費 1,000,000 当座預金 1,000,000

2.決算にあたり、繰延資産として計上された開発費を月割償却した。

(計算過程)
本年度の開発費償却額
1,000,000×6/60=100,000

(仕訳-償却時)
借方 金額 貸方 金額
開発費償却 100,000 開発費 100,000

取得時に計上される開発費は資産として貸借対照表に計上されます。また開発費償却は販売費及び一般管理費となります(実務対応報告第19号「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」示されている発生時費用処理の場合の表示区分と同じ表示区分にする必要があります)。

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