非支配株主持分の基本的な考え方(連結会計の基礎)

例えば親会社が子会社の発行する株式の100%(10,000円)を出資して子会社をあらたに設立するような場合、子会社の資本金10,000円はすべて親会社に出資してもらったお金となります。

(親会社が子会社に投資した時の親会社側の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
子会社株式 10,000 現金 10,000
(親会社が子会社に投資した時の子会社側の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 資本金 10,000

したがって子会社の純資産(資本金など)はすべて親会社のものということができます。

親会社の投資が100%でないとき-非支配株主持分

次に、親会社A社が他の会社B社と共同で出資して子会社を設立するようなケースを考えてみましょう。この時、親会社となるA社が8,000円(80%)、他の会社B社が2,000円(20%)を出資するとした場合、親会社A社と子会社の仕訳は以下のようになります。

(親会社A社が子会社に投資した時の親会社側の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
子会社株式 8,000 現金 8,000
(親会社A社と他の会社B社が子会社に投資した時の子会社側の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 資本金 10,000

親会社の子会社に対する投資である『子会社株式』は8,000円であるのに対し、子会社の『資本金』は10,000円となっています。
この両者の差額2,000円は何でしょう。
この差額2,000円こそが親会社A社以外の者(ここではB社)が子会社に出資した金額です。
連結会計では子会社の純資産のうち、親会社の出資以外からなる部分を『非支配株主持分』といいます(連結財務諸表に関する会計基準 第26項参照)。
ここでは親会社以外の他の会社B社が出資した2,000円が非支配株主持分ということになります。

非支配株主持分の求め方の基本

非支配株主持分は通常、子会社の純資産に親会社以外の株主の持分比率を乗じて算定します。上記の例でいえば、非支配株主持分は以下のように算定されます

子会社の純資産10,000円×親会社以外の持分割合20%=2,000円

※ 親会社以外の持分割合は100%から親会社の持分割合80%を差し引いて求めます。

なお、『非支配株主持分』は以前は『少数株主持分』と言っていました。少し古い書籍などを参照にする場合には両者を読み替えてご参照ください。

(関連項目)
部分所有の場合の支配獲得日の仕訳と連結貸借対照表

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