社員や従業員を雇った側の税金(源泉徴収義務者とは)
会社を設立する場合や個人事業主が新たに従業員や職員などを雇う場合、社員・従業員・職員などに支払う給与から所得税と復興特別所得税という税金(社員や従業員などの所得にかかる税金)を天引する必要があります。この給与を支払う際に天引きする税金を源泉所得税いい、源泉所得税を天引きする義務を負うもの(会社や個人事業主の側)を源泉徴収義務者といいます。
源泉徴収義務者になった場合、従業員への給与だけではなく、税理士や会計士・弁護士・司法書士などに報酬を支払う場合にもその報酬額から源泉所得税を徴収する義務が生じます。
新たに従業員などを雇って源泉徴収義務者となる場合には、所轄の税務署へ「給与支払事務所等の開設届出書」と呼ばれる書類を提出する必要があります。源泉徴収義務者は給与を支払う義務のあるのもが該当しますので、会社(法人)は設立と同時に源泉徴収義務者となります(社長1人の会社であっても社長に役員報酬を支給する際に源泉徴収が必要となりますので、この場合であっても会社は源泉徴収義務者となります)。
いっぽう個人事業主に関しては、従業員など雇用しない場合のほか、以下のような場合には源泉徴収義務者には該当しないことになります。
1.常時2人以下の家事使用人(いわゆるお手伝いさんなど)だけに給与や退職金を支払っている場合 2.従業員への給与や退職金の支払がなく、税理士や弁護士などに報酬・料金だけを支払っている場合 |
なお青色事業専従者給与を支払う場合など(個人事業主が家族などに給与を支払う場合など)も源泉徴収義務者となりますので「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署へ提出する必要があります。
従業員の給与や税理士報酬などから差し引いた源泉所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月の10日までに税務署へ納付することが必要となります(給与の支給人員が常時10人未満であるなど小規模な事業者は納期の特例が認められており、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署へ提出することにより、1月と7月に半年分の源泉所得税をまとめて納付することができます)。
源泉所得税を徴収、納付する場合の仕訳は給与支払時の源泉所得税に関する仕訳・勘定科目などをご参照ください。
(関連項目)
法人設立の際の届け出書類まとめ(国税・地方税)
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