火災保険料を支払った時の仕訳・勘定科目

会社が火災保険の保険料を支払った時は『保険料』(または『支払保険料』)などの勘定科目を使って記帳し、支払時などの費用として処理します。

なお、支払った保険料は期間の経過に応じて費用化する必要がありますので、例えば2年分の火災保険料を前払した場合などは、翌期以降の期間に対応する金額をいったん『前払費用(または長期前払費用)』などの勘定科目を使って資産計上し、期間の経過に応じてこれを『保険料』などの費用勘定に振り替えることになります。
ただし、支払額のうち翌期以降の期間に対応する部分が含まれていたとしても、その全額が支払い時から1年以内の期間に費用化するものであれば、全額を支払時の費用としても差し支えありません(継続適用が条件。法人税法基本通達2-2-14参照)。

また、火災保険料の支払いは消費税の非課税取引として処理します(消費税法第6条第1項・同別表第一参照)。

(具体例1-1年以内の火災保険料の前払い)

3月1日に向こう1年分の火災保険料12,000円を現金で支払った。なお当社の決算日は3月31日である。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
保険料 12,000 現金 10,000

支払った火災保険料は期間の経過に応じて費用(損金)として処理します。ただし支払額の全額が1年以内に費用化するものに関しては全額を支払時などの費用(損金)として処理することができます(ただし継続的にこのような処理をしている場合に限ります)。

(具体例2-1年超の火災保険料の前払い)

3月1日に向こう2年分の火災保険料24,000円を現金で支払った。なお当社の決算日は3月31日である。

(仕訳-支払時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
保険料 24,000 現金 24,000

支払った火災保険料は期間の経過に応じて費用(損金)として処理します。上記1のように支払額の全額が1年以内に費用化するものに関しては全額を支払時などの費用(損金)として処理することができますが、1年を超えて前払いする場合などには、翌期以降の期間に対応する金額について、以下のように決算時に処理します。

(計算過程)
当該保険に関する前払月数:2年→24月
うち当期の月数:1月(3月1日から3月31日まで)
翌期の月数:1年→12月
翌々期以後の月数:前払期間24月-当期月数1月-翌期月数12月=11月

決算日から1年以内に費用化する金額:保険支払額24,000円×翌期の月数12/前払月数24月=12,000円
決算日から1年を超えて費用化する金額:保険金支払額24,000円×翌々期以後の月数11月/前払月数24月=11,000円

(仕訳-決算時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
前払費用 12,000 保険料 23,000
長期前払費用 11,000

上記支払時に計上した「借方 保険料24,000円」と決算時に計上した「貸方 保険料23,000円」とが相殺され、当期に保険料として費用化される金額1,000円のみが借方に残ることになります。

なお翌期首には前払費用として計上した翌期分保険料12,000円を前払費用から支払保険料へと振り替えます。

(仕訳-翌期首の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
保険料 12,000 前払費用 12,000

(関連項目)
定期保険料(掛け捨ての生命保険料)を支払った時の仕訳・会計処理

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