人間ドックの仕訳・勘定科目

社員や役員を対象として、人間ドックを受けるための費用を会社が負担した時は、以下のように処理します。

(人間ドックの会計処理)
全社員・役員のうち、希望者全員を対象として人間ドックや健康診断の受診費用を会社が負担するような場合(なお、35歳以上の者など年齢による制限を設けることは可能) 福利厚生費
役員や特定の地位にある者だけを対象とし、人間ドックや健康診断の受診費用を会社が負担するような場合 給与または役員報酬

全社員や一定の年齢以上の者のうち、希望者全員を対象として受診させた場合の人間ドックの費用を会社が負担する場合は『福利厚生費』として処理することができますが、役員や特定の役職以上の者などを対象として人間ドックを受診させた場合の費用を会社が負担した時は、その者に対する『給与』または『役員報酬』として処理する必要があります。『給与』や『役員報酬』として処理する場合は所得税(源泉所得税)の課税対象となり、また役員報酬に関しては定期同額給与以外の支出となるため税務上の経費として処理することはできません(損金不算入)。

(具体例-人間ドックの受診費用)

1.全社員と役員のうち、希望者全員に人間ドックを受診させた。受診費用は合計で100,000円であり、会社が現金で支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
福利厚生費 100,000 現金 100,000

2.役員のみを対象とし人間ドックを受診させた。受診費用は合計で100,000円であり、会社が現金で支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
役員報酬 100,000 現金 100,000

役員や特定の地位にある者だけを対象とし、人間ドックの受診費用を会社が負担するような場合はそのものに対する給与(所得税の課税対象)として処理することになります。役員のみを対象として人間ドックの受診費用を会社が負担した場合、定期同額給与以外の役員報酬となるため損金算入(税務上の経費として処理)することはできませんのでご注意ください。

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