無償増資の仕訳・会計処理

無償増資とは、株主からの新たな出資を伴うことなく資本金を増加させることをいいます(会社法第448条・第450条等参照)。

無償増資では、投資家や株主からの新たに出資を受ける代わりに、準備金や剰余金などを資本金に組み入れることによって資本金を増加させることになります。したがって無償増資を行ったときの仕訳は、準備金や剰余金から資本金への振り替える仕訳処理を行うことになります。

たとえば、資本準備金1,000円を資本金に組み入れることにより無償増資を行う場合の仕訳は以下のようになります。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
資本準備金 1,000 資本金 1,000

上記の仕訳では資本金の額が1,000円増加していますが、これは資本準備金1,000円を資本金へ組入れただけであり、株主からの新たな出資によるものとは異なり会社の財産の総額に変動があるわけではありません。
このように無償増資では会社財産の総額に変動は生じない点に特徴があります。

(具体例-無償増資)

株主総会決議により、資本準備金10,000円およびその他資本剰余金2,000円を資本金へ振り替える決議がなされた。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
資本準備金 10,000 資本金 12,000
その他資本剰余金 2,000

(関連項目)
増資時(新株発行時)の仕訳

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