オペレーティング・リース取引(貸手・借手)の仕訳と会計処理

1.オペレーティング・リース取引の会計処理

オペレーティング・リース取引とは、ファイナンス・リース取引以外のリース取引をいいます。
オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行います。すなわち、貸手は受け取ったリース料を『受取リース料』勘定を使って収益計上し、借手は支払ったリース料を『支払リース料』勘定を使って費用処理します(リース取引に関する会計基準 第6・15項参照)。

(具体例-オペレーティング・リース取引)

A社(貸手)とB社(借手)はリース契約を締結し、業務用機械のリースを行っている(当該リース契約はオペレーティング・リースに該当する)。リース料の支払いは、毎年1年分のリース料10,000円を3月末日(A社・B社ともに決算日)において現金で支払う契約となっている。
A社およびB社のリース契約締結時およびリース料支払時の仕訳を示しなさい。

1.A社(貸手)の仕訳

オペレーティング・リース取引では、通常の賃貸借取引と同様の会計処理を行います。したがって売買取引と同様の処理を行うファイナンス・リース取引とは異なり、リース契約時において仕訳は必要ありません。

(仕訳-貸手・契約時)
借方 金額 貸方 金額
仕訳なし

いっぽう、リース料を受け取った時は受取り額を『受取リース料』勘定を使って収益計上します。

(仕訳-貸手・リース料受取時)
借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 受取リース料 10,000

貸手は当該リース資産について、他の資産と同様に減価償却処理を行うことが必要となります。

2.B社(借手)の仕訳

オペレーティング・リース取引では、通常の賃貸借取引と同様の会計処理を行います。したがって売買取引と同様の処理を行うファイナンス・リース取引とは異なり、リース契約時において仕訳は必要ありません。

(仕訳-借手・契約時)
借方 金額 貸方 金額
仕訳なし

いっぽう、リース料を支払った時は支払い額を『支払リース料』勘定を使って費用処理します。

(仕訳-借手・リース料支払時)
借方 金額 貸方 金額
支払リース料 10,000 現金 10,000

期末に支払リース料にたいする未経過の期間がある場合や、未払い分がある場合などは繰延・見越し処理が必要となります。

2.オペレーティング・リース取引の注記

オペレーティング・リース取引のうち解約不能のもの(事実上解約不能と認められるリース取引を含む)に係る未経過リース料は、貸借対照表日後1年以内のリース期間に係るものと、貸借対照表日後1年を超えるリース期間に係るものとに区分して注記することが必要となります。
ただし、リース期間が1年以内のリース取引やリース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下のリース取引(企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引に限る)など、リース取引の重要性が乏しい場合には、当該注記を行う必要はありません(リース取引に関する会計基準 第22項参照、リース取引に関する会計基準の適用指針 第74・75項参照、財務諸表等規則第8条の6 第2項等参照)。

(関連項目)
ファイナンスリース取引とオペレーティングリース取引
所有権移転ファイナンスリース取引の借手側の仕訳・会計処理

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