災害により固定資産が滅失した時(災害損失・減価償却費)の仕訳
機械や建物などの固定資産が火事や地震などの災害により使えなくなったり消滅することを滅失といいます。
固定資産が滅失した時の会計処理は、滅失した固定資産の帳簿価額を減額し、これを『災害損失(または火災損失など)』勘定に振り替えて処理します。
『災害損失』『火災損失』勘定は損益計算書上は特別損失の区分に表示します。
また、滅失した固定資産の減価償却費の計上については、期首(または購入日)から災害により固定資産が使用できなくなった日までの月割額を当期の減価償却費として計上します。
なお、仮に滅失した固定資産に火災保険などの保険が掛けられていた時は保険金が確定するまで損失処理は行いません(詳細は保険差益の会計処理をご参照ください)。
(具体例-固定資産の滅失・保険なし)
×1年12月31日において、当社工場で火災が発生し、下記の機械が焼失した。固定資産の焼失に関する仕訳を示しなさい。なお、当社の決算日は毎年3月31日であり、当該機械について火災保険等は掛けられていなかった。
(火災により焼失した機械)
取得価額:1,000,000円
期首帳簿価額:800,000円(減価償却累計額200,000円)
減価償却:定額法
耐用年数:10年(当該機械は×1年4月1日時点において事業供用から2年を経過している)。
償却率:0.100
(計算過程)
期首から災害発生日までの月数:4月1日から12月31日までの9か月
当期の減価償却費:1,000,000円×0.100×9月/12月=75,000円
災害発生日の簿価(滅失額):800,000円(期首簿価)-75,000円(当期の償却額)=725,000円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
減価償却累計額 | 200,000 | 機械 | 1,000,000 |
減価償却費 | 75,000 | - | - |
災害損失 | 725,000 | - | - |
上記『災害損失』は『火災損失』などとすることもあります。機械について保険がかかっていませんので災害日の機械の帳簿価額全額が災害損失となります。
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