正規の簿記の原則とは

企業会計原則二では、正規の簿記の原則のついて以下の様に規定しています。

企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

正規の簿記の原則とは、上記の通り一定の要件に従った正確な会計帳簿の作成を要請する原則をいいますが、企業会計が利害関係者に対する会計情報を提供することを目的とするものであることから、正確な会計帳簿のみならず、その会計帳簿を基礎とした財務諸表の作成(誘導法による財務諸表の作成)を要請する原則いえます。

なお、正確な会計帳簿が満たすべき一定の要件とは以下の3つの要件を満たすものとされており、一般的には複式簿記による会計技法を指すものとされています。

(正規の簿記の3要件)
網羅性 企業活動により発生した取引は、すべて網羅的に記録されており、漏れがあってはならないことを意味します。
検証可能性 会計記録は信頼しうる証拠資料にもとづいたものであり、検証可能でなければならないことを意味します。
秩序性 全ての会計記録が継続的・組織的になされていなければならないことを意味します。

上記のように企業会計は、すべての取引について定められた会計処理の方法に従って正確な計算を行うべきものとも言えますが、企業会計が目的とするところは、企業の外部の利害関係者に対する情報提供を通じて、彼らの企業に対する判断を誤らせないことにあるといえるため、重要性の低いものについて本来の厳密な会計処理によらないで他の簡便な方法を採用することも、正規の簿記の原則に従った処理として認められるになります(企業会計原則注解・注1 重要性の原則参照)。

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