総額主義の原則(貸借対照表)とは

損益計算書における総額主義の原則について、企業会計原則第三・貸借対照表原則一・Cでは以下の様に規定しています。

資産、負債及び資本は総額によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを相殺することによって、その全部又は一部を貸借対照表から除去してはならない。

貸借対照表総額主義の原則が必要とされるのは、総額表示を原則とすることにより、貸借対照表において企業の財政規模を明確にする必要があるためです。
貸借対照表には企業を取り巻く利害関係者に対し、企業の財政規模に関する有用な情報を提供し、より適切な判断を可能とすることが求められます。
貸借対照表には企業を取り巻く利害関係者に対し、企業に投下された資本の運用形態や自己資本比率など財務健全性に関する情報を提供することにより、自らの投資判断に資する情報を得ることができるようにすることが求められます。

仮に、売掛金と買掛金などの債権と債務を相殺したり、銀行に対する預金と借入金などとを相殺して表示した場合、貸借対照表から企業の財政状態や財務分析に関する数値を読み取ることができなくなり、利害関係者の投資判断を誤らせる恐れが生じます。

したがって、利害関係者がより有用な情報のもとで適切な判断を行えるようにするためにも貸借対照表の総額主義の原則が必要となります。

(関連項目)
総額主義の原則(損益計算書)とは

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