収入印紙を購入した時の仕訳(金券ショップなどでの購入時)
収入印紙を購入・使用した時の会計処理は、購入時に『租税公課』勘定を使って費用処理し、期末まで使用されずに残った未使用分を『貯蔵品』勘定に振り替えて資産計上する方法と、購入時に『貯蔵品』勘定を使って資産計上し、使用時に『租税公課』勘定を使って費用処理する方法とがあります。(2つの処理方法の詳細は収入印紙を購入した時の仕訳(郵便局やコンビニなどで購入した時)を参照ください)
なお、収入印紙を郵便局やコンビニエンスストアなどの印紙売りさばき所で購入した時は消費税は非課税となりますが、チケットショップ・金券ショップなど、印紙売りさばき所以外で購入した場合は消費税は課税取引とされ、取り扱いが異なります。収入印紙を金券ショップなどで購入した時の会計処理は、税込経理・税抜経理において以下の通りです。
分類 | 計算方法 |
税抜経理の場合 | 印紙の購入価格を本体価格と消費税額とに区分し、消費税額は『仮払消費税』として記帳します。 |
税込経理の場合 | 収入印紙の購入価格を課税取引として記帳します。 |
税込経理の場合は購入額を『租税公課』として記帳しますが、課税仕入として記帳することになります。会計ソフトなどに入力する際は税区分欄の入力などで非課税として入力しないようにご注意ください(税込経理の場合の具体的な記帳方法は収入印紙を購入した時の仕訳(郵便局やコンビニなどで購入した時)をご参照ください)。
(具体例1-収入印紙を購入時に租税公課で記帳する場合・税抜経理方式)
1.金券ショップで収入印紙200円を100枚購入し、代金は19,440円を現金で支払った。
(計算過程)
税込価格は19,440円、消費税率は8%。よって税抜価格、消費税額、1枚(額面200円)当たりの単価は
19,440円×100/108=18,000円(税抜価格)
19,440円-18,000円=1,440円(消費税額)
18,000円/100枚=180円(印紙200円分あたりの単価)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 18,000 | 現金 | 19,440 |
仮払消費税 | 1,440 | - | - |
2.上記の収入印紙のうち、領収書への添付などのため10枚を使用した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし | - | - | - |
3.本日、決算日を迎えた。収入印紙の棚卸を行った結果、未使用分として30枚(額面6,000円分)が在庫として保管されていた。
(計算過程)
額面200円1枚当たりの単価は180円。よって在庫計上額は
180円×30枚=5,400円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貯蔵品 | 5,400 | 租税公課 | 5,400 |
収入印紙は購入時にすべてを『租税公課』として費用計上し、期末に未使用分を『貯蔵品』勘定という資産勘定に振り替えます。したがってこの方法では期中使用時において仕訳は必要ありません。収入印紙を使用するたびに仕訳を行う手間を省くことができるため、非常に簡便な方法であり、実務的に広く利用されている方法です。
(具体例2-収入印紙を購入時に貯蔵品で記帳した場合・税抜経理)
1.金券ショップで収入印紙200円を100枚購入し、代金は19,440円を現金で支払った。
(計算過程)
税込価格は19,440円、消費税率は8%。よって税抜価格、消費税額、1枚(額面200円)当たりの単価は
19,440円×100/108=18,000円(税抜価格)
19,440円-18,000円=1,440円(消費税額)
18,000円/100枚=180円(印紙200円分あたりの単価)
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
貯蔵品 | 18,000 | 現金 | 19,440 |
仮払消費税 | 1,440 | - | - |
2.上記の収入印紙のうち、領収書への添付などのため10枚を使用した。
(計算過程)
額面200円1枚当たりの単価は180円。よって使用分は
180円×10枚=1,800円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
租税公課 | 1,800 | 貯蔵品 | 1,800 |
3.本日、決算日を迎えた。収入印紙の棚卸を行った結果、未使用分として30枚(額面6,000円分)が在庫として保管されていた。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
仕訳なし | - | - | - |
収入印紙は購入時にすべてを『貯蔵品』として資産計上し、期中に収入印紙を使用するたびに『租税公課』勘定という費用勘定に振り替えます。この方法は期中に収入印紙を使用するたびに仕訳が必要となるため、実務的には記帳の手間が具体例1の方法より多くかかる方法となります。
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