流動性配列法と固定性配列法とは
貸借対照表(B/S)の項目の配列方法には流動性配列法と固定性配列法とがあります。それぞれの概要は以下の通りです。
流動性配列法 | 上から流動性の高い順、すなわち資産については換金性の高い順、負債については返済期までの期間の短い順に記載していく方法です。この方法において貸借対照表は、資産に関しては流動資産、固定資産の順に記載し、負債については流動負債、固定負債の順に記載します。 |
固定性配列法 | 上から流動性の低い順、すなわち資産については換金性の低い順、負債については返済期までの期間の長い順に記載していく方法です。この方法において貸借対照表は、資産に関しては固定資産、流動資産の順に記載し、負債については固定負債、流動負債の順に記載します。 |
企業会計原則第三において、貸借対照表の配列は原則として流動性配列法のよるものとされています。ただし、電力会社やガス会社など、資産のうち固定資産が重要な位置を占める企業においては固定性配列法が採用されています(各電力会社・ガス会社の有価証券報告書等をご参照ください)。
流動性配列法と固定性配列法の特徴(メリット)
上記の通り、企業会計原則などでは流動性配列法を原則的配列法と位置づけ、実際に多くの企業で流動性配列法が採用されていますが、固定資産の占める割合の多い電力・ガス事業者などは固定性配列法を採用しています。それぞれの会社の資産構成や事業内容を考えた場合、流動性配列法・固定性配列法のいずれの特徴(メリット)がより重視されるかにより、採用される方法が異なります。
特徴(メリット) | |
流動性配列法 | 流動資産と流動負債などの比較により、企業の短期的な支払能力や資金繰りを把握するのに便利である。 |
固定性配列法 | 固定資産が重要な地位を占める企業において、固定資産とその資金調達源泉である固定負債との関係を把握するのに便利である。 |
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