経過勘定とは

経過勘定とは、一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける場合、または役務の提供を行う場合において、発生主義の適用により当期の損益計算から控除された資産・負債勘定をいいます。
企業会計原則注解・注5では、経過勘定項目として以下の4つがあげられています。

種類 内容
前払費用 一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、いまだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいいます。このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の費用となるものですから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければならければなりません。また前払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による前払金とは区別する必要があります。
前受収益 一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいいます。このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものですから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければなりません。また前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別する必要があります。
未払費用 一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対して、いまだその対価の支払が終らないものをいいます。このような役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているものですから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければなりません。また未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別する必要がります。
未収収益 一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、すでに提供した役務に対して、いまだその対価の支払を受けていないものをいいます。このような役務に対する対価は時間の経過に伴いすでに当期の収益として発生しているものですから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の資産の部に計上しなければなりません。また未収収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による未収金とは区別する必要があります。

賃貸借契約や継続的な保守サービス契約などでは、たとえば1年分の代金を前払いし、その後1年間にわたって賃貸建物を使用したり、保守サービスを受けることがありますが、途中で決算を迎えた場合、1年間の前払代金の中には、既に決算日までの段階でサービスの提供を受けた部分に対応するものと、未だサービスの提供を受けていない決算日以後の期間に対応するものとがあります。発生主義の観点からは当期に提供を受けたサービスに対応するものは当期の費用となりますが、次期に提供を受けるサービスに対応するものは次期の費用として扱う必要があります。この発生主義により当期の損益計算から除かれ、資産・負債として次期に繰り越されるものが経過勘定です。

Tags:

スポンサードリンク