有価証券の発行市場と流通市場(開示書類と会計監査の位置づけ)

有価証券市場(金融商品市場)は、取引形態やその機能面などの違いから発行市場と流通市場とに分類することができます(金融商品取引法第5条・第24条等参照)。

(発行市場と流通市場)
分類 内容 主な開示書類
発行市場 企業が新規に発行する有価証券が売買される市場をいいます。
有価証券の発行者とその第一次取得者との売買が行われる市場であり、その取引は主に当事者間の相対取引で行われ、常設の取引所などは持たない市場となります。
有価証券届出書など
流通市場 既に発行された有価証券が売買される市場をいいます。
有価証券の第一次取得者以降の取得者間(投資家同士の間)で売買が行われる市場であり、その取引は主に証券取引所など常設の取引所によって行われる市場となります。
有価証券報告書など

会社が一定規模以上の有価証券の発行を新たに行う場合には、一定の事項を記載した有価証券届出書作成したうえでこれを内閣総理大臣に提出し、公衆縦覧に供する必要があります(金融商品取引法第5条参照)。
また証券取引所に上場されている有価証券の発行会社などは、各事業年度ごとに有価証券報告書を作成したうえでこれを内閣総理大臣に提出し、公衆縦覧に供する必要があります(金融商品取引法第24条参照)。

この有価証券届出書・有価証券報告書の「経理の状況」の区分には連結財務諸表や(個別)財務諸表が含まれ、これらの書類に関しては発行会社と特別の利害関係のない公認会計士又は監査法人の監査証明を受けることが求められています(企業内容等の開示に関する内閣府令第5条・第8条・別紙第二号様式、金融商品取引法第193条の2等参照)。

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