商品保証引当金の仕訳・会計処理

商品を販売する際、販売後一定期間のうちに不具合などが生じた場合、無料で修理するなどの保証をつけて販売する場合があります。

商品保証引当金は、当期に販売した商品について、翌期以降に発生すると見込まれる保証費用を見積り、これを当期の費用(商品保証引当金繰入)として処理した際に計上される貸方科目をいいます。

(商品保証引当金設定時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
商品保証引当金繰入 商品保証引当金

翌期以降に発生すると見込まれる保証費用であっても、当期に売り上げた商品に関するものであれば、当期の売上と対応させるため当期の費用とする必要があります。したがって、当期に販売した商品について、翌期以降に保証修理が発生する額を見積もり、これを当期の費用として処理することになります。
なお、費用計上する際の勘定科目には『商品保証引当金繰入』勘定を使って処理することになります。『商品保証引当金繰入』は損益計算書上は販売費及び一般管理費の区分に含まれます(税務上は引当金の計上は制限されており、商品保証引当金繰入の計上は認められません。したがって会計上において『商品保証引当金』を計上した時は、申告書において加算調整が必要となります。

いっぽう、翌期以降において、商品保証引当金を設定した商品について保証修理を行ったときは、『商品保証引当金』を取り崩して処理します。

(商品保証を行ったときの仕訳)
借方 金額 貸方 金額
商品保証引当金 現金預金など

実際の保証費用が商品保証引当金の設定額を超える場合には、『商品保証費用』などの勘定科目を使って追加で費用計上します(設定時点における見積が合理的ではない場合には修正再表示となります)。

なお、商品の保証期間が経過した場合には、設定した商品保証引当金の取崩しを行います。

(保証期間が経過した時の仕訳)
借方 金額 貸方 金額
商品保証引当金 商品保証引当金戻入
(具体例-商品保証引当金)

1.商品保証引当金の設定
×1年3月31日決算日において、当期に保証つきで販売した商品について、商品保証引当金10,000円を設定した。商品の保証期間は2年間である。

(仕訳-商品保証引当金設定時)
借方 金額 貸方 金額
商品保証引当金繰入 10,000 商品保証引当金 10,000

2.保証修理を行ったとき
×1年10月31日において、前期に保証つきで販売した商品について、保証依頼があったため、保証修理を行った。保証修理にかかった金額7,000円は現金で支払った。

(仕訳-商品保証を行ったとき)
借方 金額 貸方 金額
商品保証引当金 7,000 現金 7,000

仮に、保証修理にかかった費用が12,000円であった場合(商品保証引当金設定額より大きかった場合)の仕訳は以下のようになります。

(商品保証引当金設定額より保証修理にかかった費用の方が大きかった場合)
借方 金額 貸方 金額
商品保証引当金 10,000 現金 12,000
商品保証費用 2,000

3.保証期間が経過した時
×3年3月31日決算日において、当期の保証期間が経過した商品保証引当金の取崩を行った。当期に保証期間が経過した商品引当金は×1年3月期に設定したものであり、×3年3月31日時点における残高は3,000円である。

(仕訳-商品保証引当金を取り崩した時)
借方 金額 貸方 金額
商品保証引当金 3,000 商品保証引当金戻入 3,000

(関連項目)
売上割戻引当金の仕訳・会計処理
修繕引当金の仕訳・会計処理

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