消費者に景品や賞金を供した時の仕訳・勘定科目
事業者が会社やお店、あるいは取り扱う商品などの広告宣伝を目的として、不特定の一般消費者に対し景品や賞金などを提供した場合の支出は『広告宣伝費』勘定を使って記帳し、支出時などの費用として処理します。
不特定の一般消費者に景品や賞金などを提供した場合とは、大売り出しの際にお客さんに抽選で景品を提供した場合や旅行に招待した場合など該当します。取引先の社長や役員など特定の者に景品を提供したり旅行に招待した場合などは『広告宣伝費』には該当せず、『接待交際費』となります(医薬品の製造業者や販売業者が医師や病院を対象とする場合などの医師や病院も「一般消費者」には含まれません。租税特別措置法関係通達61の4(1)-9参照)。
なお、広告宣伝のための賞金等は源泉所得税の対象となります(旅行に招待する場合などは、原則として源泉徴収の対象となる賞金等には含まれませんが、旅行に代えて現金や物品を選ぶことができれば、その金品の価額が賞金の額になります)。賞金等の額が50万円を超える場合は賞金等の額から50万円を差し引いた残額に10.21%の税率を乗じて源泉所得税を算定し、支払った月の翌月10日までに納付することが必要となります(所得税法204条1項8号・205条2項、所得税法施行令320から322条等参照)。
(具体例-景品・賞品を提供した時の仕訳)
1.当社は商品を購入した消費者を対象に、抽選の賞品として、温泉旅行を提供した。賞品の温泉旅行代10,000円は現金で旅行代理店に支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
広告宣伝費 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
2.当社は、取引先の社長を温泉旅行に招待し、温泉旅行代10,000円は現金で支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
---|---|---|---|
接待交際費 | 10,000 | 現金 | 10,000 |
広告宣伝のための賞金等の額が50万円を超える場合、源泉所得税の徴収手続きが必要となります。
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