見本品費(見本費)の仕訳

販売促進のため自社商品・製品のサンプルを得意先などに無償で提供した時は『見本品費(見本費)』勘定または『広告宣伝費』勘定で記帳します。
商品の場合は商品の仕入原価を『仕入』勘定から『見本品費』勘定に振り替え、製品の場合は製品の製造原価を『製品』勘定から『見本品費』勘定に振り替えます。

(具体例1-商品見本の場合)

得意先に新商品10,000円分をサンプルとして無償で提供した。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
見本品費 10,000 仕入 10,000
(具体例2-製品見本の場合)

製造業者である当社は新製品10,000円分を得意先にサンプルとして無償で提供した。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
見本品費 10,000 製品 10,000

上記の見本品費は広告宣伝費勘定をつかい、その他の広告宣伝費用と一括して管理することもあります。

損益計算書上の表示(他勘定振替高について)

損益計算書上の表示について、見本品費などは販売した商品の原価(売上原価)ではなく、販売促進のための費用であり販売費及び一般管理費を構成するものです。よって売上原価の構成要素である『当期商品仕入高』から販売費及び一般管理費の構成要素である『見本品費』などに振り替える必要があります。この時、損益計算書上においては売上原価の控除項目である『他勘定振替高』を使用し、見本品原価分など販売以外の原因による商品の減少要素を売上原価から控除すると同時にこれを販売費及び一般管理費に振り替える表示をします。

Ⅰ 売上高
Ⅱ 売上原価
1.期首商品棚卸高
2.当期商品仕入高※
合計
3.他勘定振替高(-)
4.期末商品棚卸高
売上総利益
Ⅲ 販売費及び一般管理費
1.見本品費(+)
営業利益

※上記P/Lの『当期商品仕入高』は外部購買活動における純仕入高を表しています。したがって、サンプルとして消費した商品の原価(販売以外の原因による消費分)については他勘定振替高を使用し、売上原価から控除することになります。

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