当たり馬券・車券の払戻金に対する税金と確定申告

競馬・競輪・競艇・オートレースなどの当たり馬券・当たり車券は所得税法上は一時所得となり、所得税が発生します(所得税法基本通達34-1(2)参照)。
ただし、その年の一時所得の合計額が50万円以下の場合は納税額は発生しません(確定申告の必要もありません)。

なお、一時所得の計算は以下の通りです(所得税法第34条参照)。

(一時所得の算定)
一時所得の金額=総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(50万円)

一時所得の場合、実際に課税対象となるのは上記の金額の2分の1となります。
また『収入を得るために支出した金額』とは、その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額をいい、必要経費の概念とは異なります。競馬や競輪の場合、『収入を得るために支出した金額』とは当たり馬券・当たり車券の購入費を指し、はずれ馬券・はずれ車券の購入費は原則として経費としては認められません

なお、サラリーマンなどの給与所得者の場合、課税対象となる給与所得以外の所得の合計が20万円以下の場合は確定申告は不要となりますので、仮に馬券や車券に係る払戻金から当たり馬券・車券の購入費を引いた金額が90万円以下の場合、課税対象となる一時所得の金額は20万円以下(=(90万円-50万円)÷2)となりますので、確定申告の必要はありません。(ただし、ほかにも一時所得のある場合はそれも合算して考慮することが必要です。また住民税の申告は必要となる場合があります)。

(具体例1:当たり馬券60万円、当たり馬券の購入額が15万円の場合)
一時所得の金額は
60万円-15万円-50万円<0円

したがって納税額は発生しません。

(具体例2:当たり馬券100万円、当たり馬券の購入額が15万円の場合)
一時所得の金額は
100万円-15万円-50万円=35万円

所得税・住民税が発生します。ただし課税対象が35万円÷2=17.5万円であり、20万円以下のため、サラリーマンなどの給与所得者は所得税の確定申告義務はありません。

(具体例3:当たり馬券110万円、当たり馬券の購入額が15万円の場合)
一時所得の金額は
110万円-15万円-50万円=45万円

所得税・住民税が発生します。課税対象となる給与所得以外の金額も45万円÷2=22.5万円となり、20万円を超えるため確定申告が必要となります。

なお、上記においてはずれ馬券・車券の購入費は経費として差し引くことはできません。また確定申告が必要な自営業者や住宅ローン控除や医療費控除などのために確定申告を行うサラリーマンの方については、課税対象となる給与以外の所得が20万円以下であっても、当たり馬券・当たり車券による収入も含めて確定申告を行う必要があります。

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