未経過固定資産税を支払った時の仕訳(買主の固定資産税精算金)

未経過固定資産税(固定資産税精算金)とは、固定資産の売買において、売主が負担したその年の固定資産税のうち、未経過の期間に対応する金額を買主が支払った場合におけるその金額をいいます。
固定資産の売買において、買主が売主に対して固定資産の売買金額とは別に未経過固定資産税相当額を支払った時は、当該未経過固定資産税相当額については固定資産の取得原価に含めて処理する必要があります(未経過固定資産税を租税公課として損金処理することはできません)。

固定資産の取得原価=固定資産の本体価格+付随費用※+未経過固定資産税相当額

※付随費用の中にはその年度の損金として処理することができるものもありますが、未経過固定資産税相当額は必ず取得原価に含めて処理します。

固定資産税は当該資産の1月1日現在の所有者に対し、その固定資産の価格に応じて算定された税額を課税する地方税をいいます。したがって固定資産税の納税義務者は1月1日現在の所有者であり、たとえ年の途中で所有者が変更となった場合であっても納税義務に影響するものではありません。
固定資産の売買において、買主が固定資産税の未経過分に対応する金額を支払っても、買主に納税義務がない以上は買主の支払った金額は租税の支払とはなりません。買主の支払った未経過固定資産税相当額は、当該固定資産の購入金額の一部として、固定資産の取得原価に含めて処理することになります。

(具体例-未経過固定資産税を支払った時)

当社は6月30日に土地を購入した。土地の代価1,000,000円は固定資産税精算金(売主が負担した本年度の固定資産税のうちの半年分)100,000円といっしょに当座預金より支払った。

(仕訳)
借方 金額 貸方 金額
土地 1,100,000 当座預金 1,100,000

土地の取得原価は土地の代価1,000,000円に未経過固定資産税(固定資産税精算金)100,000円を加えた1,100,000円となります。
買主の負担した未経過固定資産税は土地の取得原価となりますので、租税公課などとして損金処理することはできませんのでご注意ください(減価償却資産の場合は購入以後において減価償却費として損金処理が可能となります)。

なお、買主の支払った未経過固定資産税は取得原価に含めて処理することになりますので、建物など消費税の課税対象となる資産の購入に際して支払った金額は仕入税額控除の対象となります(消費税法基本通達10-1-6等参照)。

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