損金算入項目とは(基本知識と課税所得算定上の扱い)

損金算入項目とは、会計上の費用ではないが、税務上の費用(損金)となるものをいいます。
会計上の利益(当期純利益)から税務上の利益(課税所得)を算定する過程において、損金算入項目は会計上の利益から減算することが必要となります。

当期純利益+損金不算入+益金算入-損金算入-益金不算入=課税所得

損金算入項目は会計上の費用とはなりませんので、会計上の費用としては計上していません(会計上はマイナスしていない)が、税務上は費用となる(税務上はマイナスする)項目ですので、会計上の利益から税務上の利益を算定する過程ではこれを減算してやります。

なお、損金算入項目の代表的なものとしては以下のようなものがあります。

(損金算入項目の例示)
繰越欠損金 前年度以前に発生した欠損金(税務上の赤字)は、一定の条件を満たすことにより翌年以降9年間、課税所得の計算からマイナスすることができます(たとえば去年の赤字を今年の黒字と相殺することができます)。
繰越欠損金を今年の所得から控除する場合、会計上の利益とは別にその金額を損金に算入します。
収用等の特別控除 税法には、例えば公共事業などにともない会社の土地建物が国などに収用された(買い上げられた)場合において利益が発生しても、その譲渡利益に対応する金額について、特別に税務上の経費として計上することを認めることにより、譲渡利益に対応する金額について税金がかからないようにするという規定があります。

公共事業などに伴う土地の収用において、仮に譲渡した側に利益が出たとしても、その利益に課税しないことにより、公共事業に伴う収用を円滑に進めることが目的です。

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