損金不算入項目の基礎(課税所得算定上の取り扱いと代表例)

損金不算入項目とは、会計上の費用ではあるが、税務上の費用(損金)とはならないものをいいます。
会計上の利益(当期純利益)から税務上の利益(課税所得)を算定する過程において、損金不算入項目は会計上の利益に加算することが必要となります。

当期純利益+損金不算入+益金算入-損金算入-益金不算入=課税所得

損金不算入項目は会計上は費用として計上しています(会計上マイナスしている)が、税務上は費用とならない(税務上はマイナスしてはいけない)項目ですので、会計上の利益から税務上の利益を算定する過程ではこれを加算してやります。

なお、損金不算入項目の代表的なものとしては以下のようなものがあります。

(損金不算入項目の例示)
交際費 交際費は会計上は費用となります。しかし交際費の損金算入を無制限で認めた場合の租税上の弊害を考慮し、税務上は交際費の損金算入は大幅に制限されています。
支払った交際費のうち、税務上の制限を超えて支払った分は損金不算入項目となります。
減価償却費の限度超過額 税務上においては課税の公平の観点から、減価償却費の損金計上額には限度額が設けられています。会計上計上した減価償却費のうち、税務上の限度額を超える金額がある場合には超えた金額部分は損金不算入となります(減価償却超過額)。
寄附金 寄附金についても交際費と同様に租税上の弊害を考慮し、その損金算入は大幅に制限されています。
支払った寄附金のうち、税務上の制限を超えて支払った分は損金不算入項目となります。
引当金の繰入限度超過額 引当金は未だ現金支出を伴わない費用の計上であり、このような費用の損金算入を無制限に認めることによる租税上の弊害を考慮し、その計上を貸倒引当金と返品調整引当金とに限定したうえで繰入額の上限を設定しています。したがって会計上の引当金計上額のうち、これらに当てはまらないもの、またその超過額については損金不算入項目となります。
その他 損金不算入項目には上記のほか、様々なものの含まれます。一般的には税務上の損金とすることにより課税の公平が損なわれるものや、損金に算入することが社会正義に反すると認められるもの(加算税・加算金や罰金・反則金など)は損金不算入項目となります。

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