リサイクル預託金の仕訳・勘定科目

リサイクル預託金とは、廃車時などに発生するリサイクル料金を自動車の取得時などにあらかじめ支払った場合の預託金をいいます。
リサイクル料金はシュレッダーダスト料金やエアバック類料金、資金管理料金などその用途により細分されますが、自動車の取得時において、リサイクル預託金を支払った時は各細分化された用途に従って以下のように処理することになります。

(リサイクル預託金の処理一覧)
シュレッダーダスト料金
エアバック類料金
フロン類料金
情報管理料金
実際に自動車を廃車した時に発生する費用であるため、自動車の取得時においてはこれをいったん資産計上し、廃棄時などにあたらめて費用処理することになります。
したがって、自動車の取得時(リサイクル料金の預託時)においてはこれを『リサイクル預託金』(または『預け金』『長期前払費用』など)の勘定科目を使って資産計上し、自動車廃止時にこれらの資産を『支払手数料』などの費用科目に振替えて費用処理します。
資金管理料金 リサイクル料金の管理のための費用であり、支払時などに『支払手数料』勘定を使って費用処理します。

上記の通り、シュレッダーダスト料金などは廃車時の費用となるため、リサイクル料金の支払段階(預託段階)では、これをいったん資産計上することになります(消費税の取り扱いは廃車時の課税取引として処理されるため、預託段階では対象外取引(不課税取引)となります)。
いっぽう資金管理費用については、支払い時の費用として処理するため、消費税の取り扱いも支払時に課税取引として取り扱います。

なお、車両を廃車する前に他者に譲渡する場合はリサイクル預託金部分も合わせて譲渡することになります。リサイクル預託金の譲渡は金銭債権の譲渡として扱うため、消費税の取り扱いは非課税取引として処理することになりますのでご注意ください。

(具体例-リサイクル預託金の仕訳)

1.自動車を購入する際、リサイクル預託金として現金10,000円を支払った。なお支払ったリサイクル料金のうち、資金管理料金は380円であった。

(仕訳-支払時)
借方 金額 貸方 金額
リサイクル預託金 9,620 現金 10,000
支払手数料 380

2.上記の自動車を廃車した(廃車に伴うリサイクル料金の費用処理額は『支払手数料』勘定を使って処理すること)。

(仕訳-廃車時)
借方 金額 貸方 金額
支払手数料 9,620 リサイクル預託金 9,620

自動車の取得時などに支払うリサイクル料金(リサイクル預託金)については、廃車時の費用として処理することになりますので、支払時はこれを『リサイクル預託金』『預け金』などの勘定科目を使って資産計上し、廃車時に資産勘定から『支払手数料』などの費用勘定へ振り替えて費用処理します。ただし、資金管理料金に関しては、支払ったリサイクル料金を廃車時まで管理するための対価として支出されるものであるため、支払時の費用として処理します(消費税についても資金管理料金についてのみ支払時の課税取引であり、他は廃車時の課税取引となります)。

なお、自動車を廃車前に譲渡する場合はこのリサイクル預託金も譲渡することになりますので、以下のように仕訳し、リサイクル預託金を減額します(消費税上は金銭債権の譲渡となるため非課税取引として取り扱います)。

(仕訳-譲渡時)
借方 金額 貸方 金額
現金 9,620 リサイクル預託金 9,620

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